6000℃プログラムは、いつもは端折ってしまうことをきちんとしていきます。
お互いのことを知ろうとすること。しっかりやりたいことを話し合うこと。無駄かもしれないことでも試すこと。
ちゃんと知識と技術を持っていて、しっかり仕事をしているからこそ、できることだと思います。
とても感動的で素晴らしいイベントとなりました。
参加いただいた職人さん、協力者のみなさん、そして新しい試みに関心を持ってくださったお客様たちのおかげです。
イベントの模様は「もののあはれ」ページでご覧ください。
人はそれぞれ異なる経験と知識を持っています。
その道を極めてきた人たちだから、その個性は尚更です。
何を望み、何を発想するのか…
集まるたびに増えていくアイデアのストックを実現するために、更なるアイデア出しと意見交換を行っていきます。
「まずはお互いのことを知ろう!」ということで、始まった工場見学の最初のテーマは「石材」でした。
石屋さんの案内のもと、採石場(丁場)、石置き場から、旋盤、彫刻、字彫りなどの専門の工場まで見せてもらいました。
石に携わる人々には、“山の神さまからいただいた石”への敬意と、市場に出ていく製品に対する妥協のない姿勢がありました。
庵治石を介して、自然の偉大さと、繊細さを感じました。
木工所さんの案内で、製材から、欄間彫刻、漆加工、手加工、機械加工の家具製造を見学させてもらいました。
石材に続き、木工でも、自分たちの知らない歴史や、今のかたちに繋がる理由を教えてもらうことができました。
自然の素材には心の底に響くような美しさと強さがあります。
そして、石には石の、木には木の難しさと、その自然の難しさを理解しようと努力を重ねた職人たちの技術があることを知りました。
鉄工所の見学をさせてもらいました。
鉄は錆びます。その錆から生まれる味とともに、手作業の味もとても大切にしていました。
工業的な製品だけでなく、アート作品や鉄の調理器具など幅広い対応ながら、どれもデザイン的なこだわりを感じさせるものでした。
デザインを提案する力をもつ製造者が増えてくることで、社会や日常に楽しさや美しさが浸透していくように感じました。
讃岐のり染の工場の見学をさせてもらいました。
染物の道具や作業工程を見せてもらうことで、繊細な描画表現を感じることができ、描くという作業に存する祈りを感じました。
また、仕上がった油単を広げて見せてもらいながら、絵柄の話を聞かせてもらいました。
伝統的な技法だけではなく、絵柄にこめられた歴史や意味を伝承することも職人の役割なのだと感じました。
革の作業場を見せてもらいました。
自然であり、動物でもあるものの素材を利用することの難しさと可能性を感じました。革の歴史のお話も聞かせていただきました。人類が様々な素材を見つけ、生活に活かしてきた経緯がドラマチックでした。
ひと針ひと針縫われ、革の強さを活かし、弱さを補う工夫には感嘆させられます。
また道具と、その道具の入れ物にまでセンス良くあろうとする姿勢に、職人の粋を感じました。
日本刀のお仕事場を見学させてもらいました。
教授から体験、日本刀の鑑賞までさせてもらうという貴重な体験でした。
炎の様子や色でタイミングを見極めるのだそうで、自然とともにある人の仕事の原点のように感じました。
人の憧れや美意識には、単純な理屈では説明できない大きな価値があると思います。
数々の苦難の時代を超えて残る日本刀には、日本の技術、職人、文化を次世代へ残すヒントがあると思うのです。
6000℃ PROGRAM
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香川県高松市牟礼町大町